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『妻を看取る日』

国立がんセンター名誉総長、垣添忠生先生の著書です。
わたしも主人も、未読。

それにもかかわらず記事にしたのは、昨年のこの時期に、この著書のタイトルそのまま、
NHK総合の『クローズアップ現代』という番組で放映されたのを、ふと思い出したから。

当時、わたしは告知後の動揺も激しく、主人の配慮もあり、実家に帰っていることが多かった。
母と一緒にこの番組を観たのだが、この番組冒頭で、
母から『番組を変えるか、そのまま観るか』の迷いが、瞬時に伝わってきたので、
「興味あるから、このまま観たい」と自分から申し出たのを記憶している。

当時、わたしは図書館で仏教関係、キリスト教関係の本を借りて読んでは、
己の死生観との中でぐるぐる悩んで、答えなんてもちろんないから悩むことにも飽きて・・・
と、実に不毛な生活を毎日繰り返していた。多分。
余談だが、今でもチャペルやお寺・神社、墓地などに居ると、気持ちがとても落ち着く。

まだ、死への恐怖に苛まれているときで、本やインターネットなどで諸々を調べる勇気がなかった。
そういうことは、全部主人が率先してやってくれた。

必死にわたしを救う一心で諸々を調べている主人の背中をぼんやり眺めていて、
感謝はもちろんあったけど、本心を語れば、そんな主人の姿さえも怖かった。

感謝と同じくらい、「主人がこんなに血眼になるくらいの病気なんだ」と、
死の谷底へ落下していくような孤独の闇を、自ら深めてしまっていた。

わたしが孤独だったように、主人も孤独だった。
その孤独を知ったのは、こちらの記事 →

号泣する彼を抱きしめながら、
キャンサーの孤独があれば、キャンサーを見守ることしかできない孤独も、同時に存在することを知った。

『できるなら代わってあげたい』
『ぼくも同じ病気になりたい』

かつて、この主人の言葉に怒りさえ覚えたことがある。
そのとき彼に向かって吐いた暴言。
『わたしの前で泣かないで。泣くのはわたしの役目』
いや、ほんと、暴言だった。
後に、事あるごとに詫びた。

主人の孤独を知ったとき、キャンサーの心を推し量り、かける言葉の難しさを知った。

そして、主人のそういった気持ちの真意に気付き、優しさを痛感し、
「この試練を乗り越えることで、誠心誠意、主人の気持ちに応えてみせよう」
という闘志が、初めて湧いた。

死、というのは不可避かつ、完全で最大なる孤独だ、と今でも思う。
死を看取る側としては、どうなのか。
完全で最大ではないが、それ相当の孤独、そして無力感が襲うはず。

このことを Pink Ring の際、サイコオンコロジストのH先生に尋ねたこともある。
「あなた方(患者本人)が想像している以上に、患者の配偶者は心配し、悩んでいる」
との、お話だった。

そのときの資料をそのまま一部抜粋する。
・15%が夫婦間の心理的問題についてソーシャルワーカーに相談した
・夫の41%に軽度以上の抑うつがみられた


Pink Ring は読んで字の如く『輪』なので、この輪がキャンサーに止まることなく、
キャンサーを見守る側にまで発展してくれたら、と切に願っている。
(実際、わたしが通う病院では、昔、キャンサーの配偶者のコミュニティがあったと聞いている)

この番組放映の後、主人と書店で医学書を探していたところ、たまたまこの本が平積みしてあり、
「読んでみる?」と主人に問うたところ、
主人が「いや、読めない」と、にわかに涙ぐんだ目を背けたのを覚えている。

主人もわたしも、そう近いうちは、この本を手に取ることはないと思う。
それでいい。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇

35歳以下で乳がんを発症した、若年性乳がんキャンサーのためのサポートコミュニティです。
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極楽や天国は「聖☆おにいさん」みたいな世界だったらうれしい。
(わたしが通う病院の本棚には、この漫画が何故か揃っている、笑)

ギリシャ神話のような、人間くさい神々が迎えてくれたら。
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ちぃさん

 お久しぶりだけど、いつも拝見しよったよ。
「悔し泣き」を読んで、気持ちがわかるだけに沈黙してしまった。
私こそ最近、ちっぽけな事でくよくよして、夜中に眠れなくなったり、食欲が無くなったり、大変…。
 病気にならなかったら、無縁だった悩みばかり。ふとお金の事が気になったり、この先仕事できるのか、子供を産んでもいいのか…毎日毎日この繰り返し。
 こんな私、主人の負担になってる。きっと。
お返しに妻として、ず~っと支え、主人より長生きしないと!
ちぃさんのブログを読むと、救われる。私より少し前を歩いていて、生き方のヒントをくれるし、独りじゃないって思える。

>>まいこちゃん

まいこちゃん、ご無沙汰ばーい
いつも読んでくれて、コメントまで(^ω^)ありがとう!

>私こそ最近、ちっぽけな事でくよくよして、夜中に眠れなくなったり、食欲が無くなったり、大変…。
今、治療が一段落しているからかな?
わたしも無治療に突入したときの気落ち、すごかった。
心から、余計な病気を引き起こすのも悔しいから、
ひどくなるようだったら、無理せんと、お医者に相談よ!

まいこちゃんのコメントこそ、共感するよ!
病気にならなかったら無縁だった悩み、病気になったから知りえた感情・感謝・・・
なんだか自分が面倒くさくなるとき、ない?
こんなに人生真剣に考えて、前は生きてなかったよ。ってさー

人間独りでは生きていけん。
そうそう、人生かけて旦那さんや家族には恩返しせんといかんばい!
長生きして、仲良しおじいちゃん&おばあちゃんにならんと!

わたしもまいこちゃんと一緒に治療頑張れて、心強かった!
そろそろ放射線治療かな?
辛いことあったら、ここにどんどん吐き出してね(^ω^)ね!
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Author:le lys

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